| |
|
株式会社を設立する方法には、発起設立と募集設立の二つがあります。
発起設立というのは株式会社設立の際に発行する株式のすべてを発起人が引受けてしまうものです。募集設立は、発起人のほかに一部を他人に引受けてもらう方法です。
発起人がすべて引受ける発起設立の方が簡単と思いますが、商法は、発起設立の場合には、資本金の払込みが形骸化することを危惧して、株式の払込みについて、裁判所の検査役による検査を求めていたことから、実務的には募集設立がほとんどの状態でした。1990年(平成2年)の改正で検査役の検査を省略して、検査役に代わって取締役と監査役が設立手続きの調査義務を負わせることになりました。 |
|
① |
会社のアウトラインをつくる |
|
|
・商号---会社の名前。定款認証の時に公証人がチェックしますが、類似商号は使用できません。
・事業目的 ---具体的にどんな事業を行うのか明確にしておくこと。
・印鑑 ---代表取締役の印、銀行印、社印(○○株式会社之印)、会社のゴム印(住所含む)
・資本金---資本金の額および株数,1千万円以上(200株以上)
・事業に許可・認可の必要はないか。---質屋、古物商、飲食店営業、海運、ガス事業、証券など関係官庁の許可や認可が必要とされる場合があります。会社成立後、許可・認可手続きをすることになりますが、許可・認可が取れないことになると困ることになります。 |
|
② |
発起人の決定 |
|
|
発起人になる人が決まったら早い時期に発起人が集まり、下記事項と設立事務の分担を明確にし、会社設立に関する基本的な事項を決めなければなりません(商法第165条、第166条)。
これを「発起人規約」として文書にまとめておくと、株式払込み取扱い銀行から提出を要求された時(下記「株主の募集と払込み」参照)に提出できることになります。
・商号--- 会社の名前
・事業の目的--- 事業内容、具体的に記載。定款に記載する。
・本店の所在地--- 本店の住所
・公告の方法--- 公告する方法。官報などで公告。
・資本金の額--- 資本金額(最低1千万円)
・株式の数--- 発行する株式数(額面株式であれば一株5万円以上の額面)
・出資者(株主)--- 出資者の氏名および出資額
・営業年度--- 営業年度(決算月)
・就任予定役員--- 代表取締役、取締役、監査役の氏名
・役員報酬の額--- 役員報酬の額
・設立費用--- 会社負担とする金額
・発起人代表--- 総代の氏名 |
|
③ |
定款の作成 |
|
|
定款は、最低3通必要になります。公証人役場に保管されるもの、設立登記申請の際に添付するもの、会社保管用のもの各1通合計3通です。さらに、株式取扱い銀行に提出したりしますので5通くらい作成しておくとよいでしょう。定款に押印する印鑑は印鑑登録してある実印を押印します。 |
|
④ |
定款の認証 |
|
|
定款の認証は、会社の本店の所在地を管轄する法務局または地方法務局に所属する公証人によってなされなくてはなりません(商法第167条)。
定款の認証を受けるために持参するものは、①定款三通、②発起人全員の印鑑証明書各一通(発行後三ヶ月以内のもの)、③代理人に委任する場合は委任状と代理人の印鑑証明書(発起人のうち一人が代表して委任されている場合は不要)、④4万円の収入印紙、⑤手数料4万円。
謄本1通につき1500円がとられます。委任状には200円の印紙を貼り消印します。
認証した定款は、会社保存用原本および謄本として返却されます。設立登記の際の添付書類になります。 |
|
⑤ |
発起人による全株式の引受け・株式払込み |
|
|
払込金全額を集めた発起人総代は、銀行に全額を持参し、銀行に備え付けの「株式申込事務取扱委託書」の用紙に必要事項を記入し、署名押印して次の書類を添えて提出します。 |
|
⑥ |
創立総会の開催 |
|
|
通常、事前に会社設立の検討がされているので創立総会は、形式的なものとなりますが、定足数、決議の内容、決議などは商法の定めによります(商法第180
条)。 |
|
⑦ |
取締役会の開催 |
|
|
創立総会が終了したら、ひきつづき取締役会を開くべきです。法的には、取締役会はいつ開催してもよいのですが、代表取締役の名でする設立登記申請をすみやかに行うためにも早く開く必要があります。 |
|
⑧ |
登記申請 |
|
|
会社設立の登記が完了しないと、会社としての実体が出来上がっていても、法律上会社としては認められません(商法第188条)。登記は、基本的に欠かせない手続きで、設立後も、定款の変更、取締役の交替、増資などの際、その都度必要となります。
会社設立の登記は、創立総会終結の日から2週間以内に、会社の本店所在地を管轄する法務局または地方法務局、支局、出張所へしなければなりません。最初から支店を設ける場合は、支店の登記も支店管轄の登記所にします。登記申請は、代表取締役本人か、代理人に委任状を書いて委任するかいずれかの方法で行います。持参しなければならず、郵送は受け付けてくれません。
設立登記の申請は、「株式会社設立登記申請書」のほか、別紙として①商号・資本欄②目的欄③役員欄④予備欄⑤支店欄の五種類があり、通常これらに記入したものを一体として提出することになります。なお、添付書類として、定款、株式の引受を証する書面、株式払込金保管証明書、創立総会議事録、取締役・監査役の調査報告書、取締役会議事録を各1通添付します。
こららの用紙は、登記所に備えられていますし、またセットで解説付きで市販されていますので購入して記入してもよいことになっています。
また、代表取締役の印鑑届出も同時に行います。今後、代表取締役の印鑑証明書の交付を受ける際の原本にするために必要とされるものです。 |
|
⑨ |
会社設立完了 |
|
|
|
|
⑩ |
各種届出 |
|
|
株式会社の設立登記が完了したら、次に税金や保険の届出を行います。
届出は下の6つの役所に出向いて行いますが、必ず行わなければならないのは税金に関する届(税務署、都道府県税事務所、市区町村役場)です。
それぞれ提出期限が定められていますので厳守して下さい。
社会保険事務所(健康保険、厚生年金)への届は、全ての法人に義務づけられていますが、国民健康保険、国民年金で、軌道に乗ってから社会保険に切替えるケースが多いようです。
労働基準監督署、公共職業安定所については、従業員を雇っていなければ届出不要です。
届出にはそれぞれの役所に備付けの用紙を使用します。また、添付する書類は登記所交付の書類、設立登記で使用した書類のコピーや市販されている用紙を使用して作成した書類または、その書式に従ってワープロ等で自作した書類を用います。 |